2018.10.19(Fri) がんじゅ
ピラミッドの謎?就労支援の現場は発掘調査?
皆さん、こんにちは。
さて、『就労ピラミッド』という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
障がい者就労支援の現場では利用者さんに、訓練について説明することがあります。
訓練と言ってもすべてが目に見える成果とはなりません。訓練を続けていく中で「自分ってここで何をしるんだっけ?」と疑問を持つことも・・・・。自分が行っていることの意味や意図を知っておくことは重要で、訓練効果に影響します。
『就労ピラミッド』というのは、その訓練について説明する際に使用しているものです。
働くために必要な力は大きく分けて4つあります。
「健康管理の力(障害の理解)」、「日常生活の力」、「社会生活の力(対人技能)」、「基本的労働習慣」です。
これらを、どの力からトレーニングすればよいかを、ピラミッドを使って表現しています(添付の写真)。
まず、自身の健康は自身で維持できるほうが有利です。特に精神障がいをお持ちの方は、通院、服薬といった健康を維持する力はとても重要ですね。自身の障がいへの理解も含まれます。
次に日常生活の力。適切に食事をとり、質のよい睡眠を心がけ、経済的な安定を目指すことは重要です。
そして社会生活の力。人は独りでは生きにくいものです。まして就労となると対人スキルを要求されますね。
感情をコントロールしたり、苦手な人とも挨拶をかわす必要があります。社会生活の力は、集団に所属する力を意味します。
最後に基本的労働習慣。挨拶や返事、身だしなみやルール、報連相など仕事の中でよく使う技術です。仕事を始める準備を高めます!
就労支援機関での訓練やプログラムでは、このような力を訓練しています。
支援員はこのような力を支援しながら、どこに課題があって、どんなストレングスを持っているのかをアセスメントしていきます。
まさに発掘調査のようでね。
さて、一番上の「職業特性」と一番下の「働きたい気持ち」の説明がまだでした。
「働きたい気持ち」は読んで字のごとく。
訓練で辛い時、それでも自分は働きたいと思える土台がないと、少し疲れてしまうかもしれません。
ピラミッド型にしてあるのは、”4つの力がないと働けない”のではなく、”安定”を表現しています。
「職業特性」、職業適性とも言いますが、これは会社で教えてもらうことです。様々な職種がありますので、訓練機関で専門的に学ぶことはできません。A社の仕事はA社で教えてもらいます。いわゆるOJTですね。
支援機関はこの職業特性、会社の仕事をしっかりと教えてもらえる準備を訓練すると考えてください。
毎日、決められた時間に出勤できないと仕事教えてもらえませんよね?
挨拶や返事、印象が悪ければ、熱心に仕事を教えてくれないかもしれませんよね?
報連相をしない人に仕事、任せられないですよね?
就労支援機関での訓練は、「しっかりと職場で仕事を教えてもらえる技術」を身に着けることが目的です!!
※アイキャッチのピラミッドイラストはフリー素材を使用しています。